第49回全国木材産業振興大会

平成26年10月15日

ご挨拶

全国木材産業振興大会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

本日ここに、第49回全国木材産業振興大会を、関係者のご尽力によりこのように盛大に開催できますことは、大きな喜びであり我々の誇りとするところであります。また、ご多用のなか、農林水産大臣、国土交通大臣はじめ、多くのご来賓のご臨席をいただいたことに対し心から御礼申し上げますとともに、全国各地から御参集いただいた多くの会員、友好団体の皆様に感謝申し上げる次第であります。

本年の大会は、木材の大消費地である、ここ首都・東京での開催となりました。首都・東京では、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。これから整備の始まる競技場、選手村などの関連施設に木材を活用していただくことは、世界各地から訪れる人たちに、日本の伝統である「木の文化」に触れていただき、日本をより深く理解していただく、よい機会となります。本大会の目的は、全国の木材産業関係者が会して木材の利用促進、木材業界の振興方策・展望などについて確認し合い、それらを広く訴えていこうとするものであり、こうした時期に、首都・東京で開催できますことは大変意義深いものであります。本大会を契機に、木材産業界あげての取り組みをお願いする次第です。

さて、木材産業をめぐる状況については、消費税引き上げ後の需要の落ち込みなどの厳しい要因もありますが、木材利用ポイント事業、木造公共施設の建築促進対策、地域型住宅ブランド化事業など国による積極的な木材活用施策の展開などを受けて、木材利用に関する人々の理解は確実に高まってきています。また、木材の利用は、地球温暖化の防止、森林の公益的機能の維持・増進や地域経済の振興に大きく寄与するものであるとの認識も高まってきています。

今回の大会は「木材利用で街に第二の森林を」をサブテーマとしています。住宅着工戸数は、人口・世帯数見通しや住宅ストックの状況から中長期的には回復・増加が難しいとの見方がある中で、木材需要の拡大を進めていくためには住宅のみならず商工業施設などあらゆるところに木を使う街づくりを進めることが緊要かつ不可欠となっています。街に木材を使うことは、都市に第2の森林を生み出すことにつながります。今後、今まで以上に一般消費者、建築関係者、各方面のユーザーの皆様方との連携を深めながら、新しい木材需要、特に都市部での木材利用の拡大に取り組んでいくことが重要となっています。

1950年代の日本では、災害に強い街づくりを進めるため、木材を非木質系に置き換えていく政策が国を挙げて行われてきました。時代が変わり、地球温暖化対策や地域社会の活性化が、国を挙げて取り組むべき課題となっている現在において、世界でも有数の森林国である我が国において生長する際に二酸化炭素を吸収し、生産・加工の過程でもエネルギー消費の少ない木材をもう一度街づくりの主役にしていくことは、我々業界だけではなく社会全体での課題となってきていると考えております。全木連といたしましては、木材利用を優先する社会(Wood First社会)の実現とそれを通じた森林・林業・木材産業の振興に関係の皆様と力合わせて取り組んで参る考えであります。ご列席の関係行政機関、関係団体の皆様には、今後ともご指導、ご支援の程を切にお願い申し上げる次第です。

最後に、本日栄えある表彰を受賞される皆様に対し、永年のご精進とご苦労に深甚なる敬意を表し心からのお祝いを申し上げるとともに、本大会の開催に当たりご支援、ご協力いただいた東京都木連をはじめとする関係者の皆様方に厚く感謝申し上げ挨拶といたします。

平成26年10月15日
大会会長
一般社団法人 全国木材組合連合会
会長 吉条良明

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