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60回全木連通常総会における会長挨拶

 

 

 

平成18年5月9日

於:虎ノ門パストラル

 

会議の開会に当り、一言ご挨拶を申し上げます。

 

本日は、第60回全木連通常総会・理事会、第34回木退共総会・理事会を開催いたしましたところ、全国各地から、はるばるご参集いただき誠に有難うございます。また、日頃から幅広くご指導いただいております林野庁の川村長官、国土交通省の小田木造住宅振興室長はじめご来賓の皆様には、公務ご多用の中、ご臨席いただき誠に有難うございます。

 

さて、我が国の経済は、設備投資の拡大や個人消費の順調な回復などを背景に、順調な景気拡大基調にあると見られています。しかし一方では、不安定な中東情勢や原油価格の著しい上昇など、景気の動向に対する不安要因もあります。

現在進められている行財政改革は、社会全般にさまざまな格差問題を生じています。特に地域間、業種間の顕在化し、木材産業はじめ地域密着型産業においてはこの影響をまともに受けて、景気回復の恩恵に十分あずかれないでおります。

こうしたなかで木材需要の太宗をなす新築住宅着工戸数は、平成17年度は前年度を4.7%も上回っていますが、構造別でみると木造建築床面積は逆に1.8%減少しています。この結果木材の需要量はほぼ横ばいで推移していますが、国産材の供給量は昨年に引き続き前年度を上回るものと予想されています。今後もこの傾向が続き国産材の供給増加が本物になることを期待しているところであります。

 

違法伐採問題はG8サミット等の国際会議の場で大きく取り上げられ、我が国としても何らかの対応が必要となりました。そこで政府はグリーン購入法による合法木材の優先調達の方針を新たに導入し、今年度から実施することになりました。

これを受けて林野庁は「木材・木材製品の合法性・持続可能性証明のためのガイドライン」を公表しました。

全木連としまして、このガイドラインに沿って合法性等の証明された木材を供給するシステムを早急に構築し、需要側の要求に応える体制を整備するため、林野庁のご協力を得て鋭意努力しているところであります。

 

今回の政府調達方針の改定は、合法性が証明された木材の利用が地球温暖化防止に貢献すると認められたものであり、住宅産業はじめ一般の企業に対しても合法木材の利用が進むものと考えます。これが木材需要の拡大に波及することを期待しています。

 

昨年7JAS法が全面的に改正されました。この改正JAS法に基づく登録認定機関となるため、昨年12月、新たに有限責任中間法人「全国木材検査・研究協会」を設立し、これまで全木連検査部で処理しておりましたJAS認定等に関連する業務を引き継ぐことになりました。移行期間が3年間ありますが、その間に新JAS制度の定着・普及を図りながら円滑に業務の引継ぎをしたいと考えています。

 

 林野庁は、木材の安定供給と木材産業の体質強化を目的に、昨年の新流通システムの構築に続き、本年度からは新生産システムの再構築をモデル的に実施することを予算化しました。全木連と致しましても、調和の取れた木材産業の発展という観点からこれに協力して参りたいと考えています。

 

 次に、ダイオキシン対策についてであります。ダイオキシン排出規制のために制定された焼却炉規制は木材業界にとって重要な問題でありました。一昨年は小型焼却炉の規制緩和が実現し、昨年9月にはダイオキシン簡易測定法の採用が告示され、測定に関し大幅なコストダウンが実現しました。これは皆さんのご協力の賜物と感謝いたしております。

 

また、木材産業の労災保険料率改定につきましては、保険収支の悪化が進行し、料率アップが危惧されておりましたが、全木連はじめ木材・木製品団体の主張が認められ、保険本来の趣旨に基づく料率計算の結果、料率引き下げが実現しました。これによる事業者負担は大幅に低減したものと考えます。

 

さて、木退共につきましては、日頃から加入者拡大にご協力をいただいておりますが、契約者数の減少傾向に一向に歯止めがかからず、引続き厳しい運営を続けております。幸い資金運用につきましては他の同種共済に比べ有利に運営されており、契約者には満足していただけるものと考えています。今後とも、加入者拡大に皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

 

最後になりましたが、木材業界にあって、春の叙勲並びに褒章の栄に浴された方々に於かれましては、ひとえに日頃のご精進とご努力の賜物と心からお喜び申し上げますと共に、今後一層のご活躍をご祈念申し上げます。

 

本日の会議は、昨年度事業の総括が主たる議題であります。限られた時間内で十分な議論は難しいとは思いますが、議事進行に付きよろしくお願いいたします。

 

以上会議の冒頭のご挨拶といたします。

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