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41回全国木材産業振興大会における庄司会長挨拶

 

 

 

平成18年度第41回全国木材産業振興大会

平成181027

ご 挨 拶

大会会長 

社団法人 全国木材組合連合会

会長 庄司 橙太郎

 

全国木材産業振興大会の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 

 本日ここに、第41回全国木材産業振興大会、併せて全国木材協同組合連合会創立45周年記念大会を、地元の関係者の絶大なご尽力により、ここ広島市においてかくも盛大に開催できますことは、大きな喜びであり、誠に光栄であります。また、公務ご多端のなか、農林水産大臣、国土交通大臣、林野庁長官、広島県知事、広島市長はじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り厚く御礼申し上げますと共に、全国各地からご参集いただいた多数の会員、友好団体の皆様には、心から感謝申し上げます。

 

ここ広島県は、県北部を中心に中国山地の林業地域が広がり、スギ・ヒノキと共に天然マツ林が特徴です。県南部の港湾地域には大規模な外材加工工場が展開し、日本一の丸太輸入を続けています。まさに林業・木材産業の先進県であり、大きな影響力を持っている地域であります。

また、先の大戦では痛ましい傷跡を残したこの地から、毎年8月、平和を希求し、人々の安寧を願う静かな祈りが、マスコミを通じて伝えられるたびに、深い感銘を受けるのは私だけでしょうか。

 

昨年の金沢市で開催された第40回大会以降、この1年間、我が国の経済は、順調な回復基調が続き、ついに、いざなぎ景気を超える長期間、連続して成長を続けてきました。デフレ・マインドもほぼ収束し、好調な外需に支えられた設備投資も高水準で推移し、個人消費も緩やかに回復しております。この結果、本年度の実質GDPは、対前年度比プラス2.1%程度になると予想されていますが、地域間あるいは業種間の格差は拡大の方向にあり、木材産業のような地域密着型産業は、この影響をまともに受けております。

 

木材の最大の需要先である、新築住宅着工数を見ると、今のところ前年をやや上回るペースで推移しています。木造率、木造着工面積なども下げ止まりの気配を見せており、木材需要の減少傾向にも歯止めがかかったものと感じられます。しかし、依然として材価は一部を除いて低迷しており、木材業界のみならず、地域の森林・林業にも深刻な影響を与えています。

 

今年の木材業界の大きな課題は、国等の木材・木製品の調達に関するグリーン購入法の基本方針改正に対応した木材・木製品の供給であります。すなわち国等の機関は、木材の違法伐採問題に取り組む姿勢を明確にするため、今後合法性、持続可能性の証明された木材・木製品を優先的に購入することが義務つけられました。これに対応するためには、合法性の証明された木材の供給が必要であり、林野庁が示したガイドラインに沿った、新たな仕組みの導入が始まりました。既に各団体においては、合法性の証明された木材を供給するための事業者認定の制度を構築し、運用を始めております。

今は国等の機関の木材・木製品の需要量は多くはありませんが、やがて地方公共団体や住宅産業等の木材需要者等からも合法木材が要求されるようになると思います。木材業界はこれに応えて行かなければなりませんが、さらに重要なことは、この制度の信頼性の確保であります。そのためには木材業界が率先してこの制度を守り、育てて行くことが肝要であります。

 

さて、地球温暖化防止を掲げた京都議定書の目標達成のためは、健全な森林の育成が極めて重要であり、そのためには木材生産・利用を促進することが必要であります。この木材の利用推進の担い手として、木材産業の果たす役割は大変大きなものがあると考えます。

また、木材利用が環境負荷また資源循環の観点から国としての重要な政策課題であると考えますので、「木づかい運動」を積極的に推進していくことも必要でありますが、木材利用の重要性のPRはまだまだ不十分と言わざるを得ません。

そこで木材産業の活性化と木材需要拡大について行政による財政的、制度的支援が是非とも必要であります。その財源として一般財源を含む環境税の創設等必要な税制上の措置を講じることを今年こそ現実のものにする必要があり、全木連としても全力を尽くしてまいります。

 

木材業界は、未だに長いトンネルから脱出できていない状況のもと、業界一丸となってこの苦境を乗り切ってまいる所存でありますので、ご列席の関係行政機関、関係団体の皆様の一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げます。

 

終わりになりましたが、本日、栄えある表彰を受賞される方々には、長年にわたるご精進とご労苦に対し深甚なる敬意を表しますとともに、心よりお祝い申し上げます。

最後に、本大会の開催にあたり、全面的にご支援、ご協力いただいた全木連中国支部並びに広島木連の皆様方に改めて厚く御礼申し上げ、私のご挨拶といたします。

 

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