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平成18年度第2回 全木連・全木協連合同常勤役員・事務局長等会議における庄司会長挨拶


平成19年2月16日
於:虎ノ門パストラル

 会議の開会に当り、一言ご挨拶を申し上げます。

 本日は全木連・全木協連合同の常勤役員・事務局長等会議を開催いたしましたところ、多忙な年度末ではありますが、遠路ご参集いただき有難うございます。

 また、公務ご多用中のところ林野庁木材産業課の小林課長、木材利用課長の梶島課長、国土交通省木造住宅振興室の原田課長補佐のご出席をいただいており、誠に有難うございます。後ほど、ご指導をいただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

 ご承知のとおり、わが国経済はいざなぎ景気を超える長期間にわたり、順調な拡大基調が続いていますが、地域間、業種間の格差が新たな社会問題となってきています。われわれの木材産業は、他の地域密着型産業と同様、景気回復の波に乗り切れず、格差拡大の影響をもろに受けています。
 さて、木材を取り巻く環境を見てみると、需要の太宗を占める新築住宅着工戸数は前年を4.4%上回っており、順調に推移しております。また、木材需要は発展途上国を中心に急増し、いまや木材はグローバルな商品として世界中を流通するようになりました。わが国の木材市場は単にその中の一つであり、量的にも質的にも最早主役ではありません。
 一方、国内の木材生産、需給の構造も大きく様変わりして来ました。特に合板用、紙パル用需要の拡大、消費者の国産材への回帰など注目すべき動きであります。
 こうした木材需給を背景に、木材価格は、外材を中心に値上がりが始まり、昨年後半には国産材価格にも動きが見られるようになりました。この傾向はしばらく続くものと考えられ、久しぶりに活況が期待されていますが、構造的問題を抱えている木材業界はこれに甘んずることなく、今こそ長期的展望に立った適切な対応が必要と考えます。
 団体の事務局の皆さんにおかれましても、それぞれ会長はじめ役員の方々とともに地元業界の堅実な発展のためにご尽力頂きたいと思います。

 一昨年は史上最多の台風襲来、冬の記録的大雪、昨年は冷夏、そしてこの暖冬。異常気象が続いていますが、これも地球温暖化の影響ともいわれております。温暖化防止対策を取り決めた京都議定書の確実な実施が必要であります。
 わが国としてもこの目標をクリアーするためには、森林整備と併せて木材利用拡大の重要性が強調されています。全木連としましても木使い運動を始め、木材需要の拡大対策に今後とも積極的に取り組んでまいります。

 さて、違法伐採問題につきましては、政府機関がグリーン購入法による合法性が証明された木材の優先的調達の方針を打ち出しました。これを受けて木材業界は、林野庁が提示したガイドラインにのっとり合法木材の供給のための体制作りに努めてまいりました。皆様方のご協力を得て、国内業界の体制作りはほぼ完成したものと考えております。ご協力に感謝いたします。今後は、合法木材の着実な供給とその利用拡大が我々に課された使命であると考えています。

 また、新たな森林・林業基本計画に基づく「木材産業の体制整備及び木材市場の形成・拡大に向けた基本方針」が先般公表され、これからの木材市場、木材産業の向かうべき方向の大枠が提示されました。今後はこの基本方針に沿って具体的な施策が着実に、また大胆に展開されることを期待しております。

 本日も、報告事項等を含め盛りだくさんの議題となっています。限られた時間内で十分な意見交換は難しいとは存じますが、皆さんからの忌憚のないご意見を頂き、来年度事業の方針を固めてまいりたいと思います。

以上会議の冒頭のご挨拶といたします。

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