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第42回全国木材産業振興大会における庄司会長挨拶(H19.10.18)


第42回全国木材産業振興大会
平成19年10月18日

ご 挨 拶 

大会会長
社団法人 全国木材組合連合会
会長 庄司 橙太郎


 全国木材産業振興大会の開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 本日ここに、第42回全国木材産業振興大会を、地元の関係者の絶大なご尽力により、ここ高松市においてかくも盛大に開催できますことは、大きな喜びであり、誠に光栄であります。また、公務ご多端のなか、農林水産大臣、国土交通大臣、林野庁長官、香川県知事、高松市長はじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り厚く御礼申し上げますとともに、全国各地からご参集いただいた多数の会員、友好団体の皆様には、心から感謝申し上げます。
 ここ香川県は、古くから四国地域の玄関として栄えてきており、「金比羅山」「屋島」「小豆島」など全国に名だたる多くの史跡・景勝地に恵まれた地域であります。木材産業につきましては、県内、四国各地のヒノキ・スギのほか、恵まれた港湾を背景とした米材の加工・流通により、県内・四国一円の木材需要に重要な役割を果たしており、今後ともその発展が期待されています。
 さて、我が国の経済は、政府は本年度の国内総生産の実質成長率を2.0パーセント程度と見通していますが、このところ、一部に弱さがみられるものの依然として拡大基調で推移しています。昨年の大会以降の木材業界を取り巻く状況は、住宅着工戸数の順調な推移、木材輸入環境の変化等により、業況の改善が期待されていましたが、本年度に入ってからの住宅着工戸数は昨年に比べて減少に転じ、特にこの夏以降は大幅着工減となっています。長い間苦しんできている木材産業、地域の森林・林業は、深刻の度が増していると言わざるを得ません。
 昨年、「新たな森林・林業基本計画」や「住生活基本計画」が閣議決定され、この中で林業及び木材産業再生の実現のための木材産業の競争力強化や消費者重視の新たな市場形成と拡大、また住宅への地域材利用の促進などの政策推進の方向が明らかにされています。政府におかれては、これらの計画に即して木材産業に対する各般の施策の充実強化に取組んでいただいており、業界としても感謝申し上げる次第でありますが、最近の木材需要、住宅着工の動向を踏まえ建築確認の手続きの円滑化、業況上向きのための一層のご支援、ご指導をお願いする次第であります。
 ところで、このような中にありましても重要なことは、我々業界自身がさまざまな困難を乗りこえて将来を展望した構造改革をいかに取組んでいくかであると認識しています。木材は快適で健康的な暮らしに必要不可欠なもの、そして地球温暖化防止の切り札として重要な役割を果たすものであります。木材利用を促進する最大の担い手である木材産業が、新しい時代を切り拓いていくには、これまで以上に木材の需要者・消費者を重視して木材加工体制の整備や製品・技術開発などに取組み、安心して使っていただける品質性能の優れた木材製品をきちんと安定供給する体制を構築することが必要です。特に建築関係の諸制度が大幅に改正・制度化されたことを踏まえ、JAS製材品など品質・規格、産地などを明確に表示した木材、乾燥材の供給体制の整備は喫緊の課題であります。
 さらに、木材利用の推進については、多くの関係者の努力により木材の知識等については徐々に広まりつつあるものの、実需の増につながるには各種のPR努力はまだ不十分と言わざるを得ません。いろんな関係者の知恵、サポートも得ながら、工夫を凝らした粘り強い、そしてわかりやすい木材利用推進の取組みが必要です。「木づかい運動」の中心となって積極的に推進していこうではありませんか。
 また、違法伐採問題に対応するため、昨年から合法木材の供給体制整備に取組んでいますが、これにつきましては多くの関係者の大変なご努力により、短い期間にあるにもかかわらず合法木材を供給する認定事業者数は6千を超えるなど着実な実績を上げています。今後、ユーザの皆様から真に信頼される合法木材を品質・量ともきっちりと供給していく必要があり、いよいよ「正念場」という認識の下に業界挙げての取組みをしっかりと行っていく所存であります。

 木材産業の活性化と木材需要拡大につきましては、行政による財政的、制度的支援はどうしても必要であり、そのための財源となり得る環境税の創設等について例年議論が重ねられています。この点につきましては、全木連としても関係団体等と力を合わせて必要な取組みに全力を尽くして参る考えであります。

木材業界は、未だ明るい展望をなかなか見出しにくい状況が続いてはいますが、今後とも業界一丸となってこの苦境を乗り切ってまいる所存でありますので、ご列席の関係行政機関、関係団体の皆様の一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げます。

 終わりに、本日、栄えある表彰を受賞される方々には、長年にわたるご精進とご労苦に対し深甚なる敬意を表しますとともに、心からのお祝いを申し上げます。また、本大会の開催に当たり、全面的にご支援、ご協力いただいた全木連四国支部並びに香川県木材協会の皆様方に改めて厚く御礼申し上げ、私の挨拶といたします。

平成19年10月18日

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