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第43回全国木材産業振興大会における並木会長挨拶(H20.10.22)


第43回全国木材産業振興大会
平成20年10月22日

ご 挨 拶 

大会会長
社団法人 全国木材組合連合会
会長 並木 瑛夫


 全国木材産業振興大会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

 本日、第43回全国木材産業振興大会、併せて社団法人全国木材組合連合会創立55周年記念大会を、地元の関係者の絶大なご尽力により、ここ熊本市においてかくも盛大に開催できますことは、大きな喜びであり、誠に光栄であります。また、公務ご多端のなか、農林水産大臣、国土交通大臣、林野庁長官、熊本県知事、熊本市長はじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り厚く御礼申し上げますとともに、全国各地からご参集いただいた多数の会員、友好団体の皆様には、心から感謝申し上げます。
 「火の国」熊本県は、阿蘇山、天草、熊本城など景勝地・史跡に恵まれ、その豊かな自然・文化歴史とのふれ合いに全国から多くの人々が訪れている地域であります。木材産業につきましては、県内の豊富な森林資源を背景に全国でも有数のスギ、ヒノキ加工製品の供給地として、将来を見据えた県産材振興体制の整備に積極的な取組みが進められており、今後の更なる業界発展が期待されています。

 さて、昨年の高松市で開催された第42回大会以降、この1年間、わが国経済は、それまでの拡大基調から景気の下振れリスクが高まり、最近では米国における金融不安・危機の高まりや株式・為替市場の変動などから、世界的規模での景気後退が懸念されています。木材産業につきましては、昨年の改正建築基準法施行等に伴う新設住宅着工戸数の大幅減少により木材需要が減少したことなどから、事業活動は深刻な状況が続いています。このところ着工戸数は上向きではあるものの、景気後退により業況の先行きが大変に心配されています。政府は、「安心実現のための緊急総合対策」を打ち出していますが、現下の厳しい経済情勢を踏まえると、既に実施に移されているセーフティネット金融・保証等の措置に加え、緊急総合対策の早期実施と切れ目のない景気対策を強く要請する次第であります。

 そのような中にあって、我々業界が成すべきことは、新たな木材利用拡大への限りなき挑戦と消費者・需要者重視の木材供給・加工体制の整備による木材産業の再興の取組みを進めることであります。今、地球温暖化防止に向けて「低炭素社会の実現」のための様々な対策・取組が大きな課題となっています。木材利用はこの課題に大きく貢献できるものであります。我々は現在「木づかい運動」の推進を積極的に取組んできていますが、木材産業は木材利用促進活動の中心的な担い手としてこれまで以上にその役割発揮が期待されているところであります。住宅建築は、人口・世帯数の見通し等からかつてのような着工戸数が期待し難いと予想されている中で、住・生活空間、公共部門や木質バイオマス利用などのあらゆる分野において、技術開発やユーザーへの提案なども含め木材利用の拡大にそれぞれの地域実情・事業展開の特色を活かして取り組んでいくことが必要となっています。
 木材の供給・加工体制の構築につきましては、消費者・需要者に「暮らしに優しい」木材を安心して使っていただくため、品質性能、木材産地などを明確にした製品、合法性の証明された木材製品、さらに顧客満足度の高い製品を開発・安定供給をしていく体制をきちんと整えていくことが求められています。建築関係諸制度が大きく変わってきている中で、特にJAS製品・乾燥材製品の供給体制整備は焦眉の急の課題となっています。
 このような課題に対処して木材産業の体質改善、構造改革に、苦しい中にあっても果敢に取り組んでいくことが、木材産業再興への道筋であると考える次第であります。木材輸入環境や需要者・消費者ニーズの変化に柔軟に対応できる力強い新たな木材産業の再構築に業界挙げて活動していこうではありませんか。

 我々が、こうした取組みを進めていくためには、行政によるご支援・ご指導は必要であります。関係行政機関には、需給変化に対応した木材産業の総合対策、木材利用や森林吸収源対策を推進するための税制上の措置などの政策の実現を強くお願い申し上げる次第です。全木連といたしましても、関係団体の皆様と力を合わせて必要な取組みに全力を尽くして参る所存であります。

 終わりに、本日、栄えある表彰を受賞される方々には、長年にわたるご精進とご労苦に対し深甚なる敬意を表しますとともに、心からのお祝いを申し上げます。

 最後に、本大会の開催に当たり、全面的にご支援、ご協力いただいた全木連九州支部並びに熊本県木材協会連合会の皆様方に改めて厚く御礼申し上げ、私の挨拶といたします。

平成20年10月22日

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