このページを  保存  お気に入りへ  印刷

第58回全木連通常総会会長挨拶


   

 

平成17年5月10日

於:虎ノ門パストラル

 

 

会議の開会に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

 

本日は、第58回全木連通常総会・理事会、第33回木退共総会・理事会を開催いたしましたところ、全国各地から、はるばるご参集いただき誠に有難うございます。また、日頃から幅広くご指導いただいております林野庁の前田長官、国土交通省の小田木造住宅振興室長はじめご来賓の皆様には、公務ご多用の中、ご臨席いただき誠に有難うございます。

 

さて、我が国の経済は、輸出産業を始めとした一部産業の活発な生産活動に刺激され、全般的に設備投資も個人消費も堅調に推移していると考えられ、ここ1、2年の景気回復の足踏み状態もやがては回復基調に戻るものと予測されています。しかし木材産業はじめ地域密着型産業には、景気回復の流れに乗り切れず、未だに苦しんでいるところも多いと考えられます。

 

こうしたなかで木材需要の太宗をなす新築住宅着工戸数は、平成16年は前年を2.5%上回っており、木材需要量も3.3%増加するものと見込まれています。また国産材の供給量は昨年に引き続き前年を3.8%上回りました。今後もこの傾向が続き国産材の供給増加が本物になることを期待しているところであります。また、木材輸入も4年ぶりに増加に転じ、木材全体の取扱量も増加しましたが、反面木材価格は一進一退の波行状態が続いており、木材業界にとって依然として難しい経営環境といわざるを得ません。

 

去る2月、京都議定書が正式に発効し、その目標達成がわが国の国際約束になって参りました。このため政府は京都議定書目標達成計画を決定し、目標達成に向けた各般の取り組みを明らかにしました。そのなかで温暖化ガスの吸収源として森林の育成と併せて木材利用の拡大が重要な課題であると明記されています。

 

このため全木連としましても、地球温暖化防止に貢献する木材需要の拡大対策に積極的に取組むこととします。また、目標達成のために必要な資金源として環境税の創設等新たな財源対策にも引続き積極的に取組んで参ります。

 

この問題と関連して違法伐採問題が7月英国で開催されるG8サミットにおいて取上げられる見込みであり、わが国も何らかの対応が迫られております。政府としては、まず、政府調達物品の中から違法材を排除することを考えており、具体的手法の検討が進められております。全木連としましては、既に平成14年声明を発表し、違法伐採材を取扱わないよう会員に勧告しておりますが、新たな措置が実施された場合は出来る限り協力すべきと考えます。

 

ダイオキシン対策につきましては、小型焼却炉の構造基準が緩和され、加えてダイオキシン類の簡易測定方法の採用が見込まれていることから、業界の負担は著しく軽減されるものと判断致します。これからは小型焼却炉の使用に当たって、卑しくも木材業界のコンプライアンスが問題とされることのないよう注意しなければなりません。

 

現行のJAS制度は2年まえから適用されて、制度の定着・普及に向け、引続き関係者の意識改革を図っているところでありますが、この度JAS法の全面的な改正案が国会で審議されております。今回の法改正の趣旨は、認定登録機関の第三者性を明確にし、制度運用の透明性を高めるなど、国際的基準に即した仕組みにすることであります。全木連としてもこの法改正に対応して、信頼される業務運営の構築に向けて組織体制を検討する必要に迫られております。

 

 また、去る3月30日には、木材の原産地、樹種などの情報を表示する運動の推進母体として、「木材表示推進協議会」の設立総会が開催され、4月1日正式に発足いたしました。この協議会の運動がますます盛んになり、表示木材が消費者に話題にされるようになることを期待しています。全木連といたしましても、この協議会の活動に出来るだけの支援をいたしますが、会員の皆様もこの協議会への参加をお願い申し上げ、併せて協議会の今後の発展と活発な活動を心からご祈念申し上げます。

 

さて、木退共につきましては、日頃から加入者拡大にご協力をいただいておりますが、契約者数の減少傾向に一向に歯止めがかからず、引続き厳しい運営を続けております。今後とも、この共済制度の内容充実に努めるとともに、安定的制度の運営に努めて参る所存でありますので、皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。

 

最後になりましたが、木材業界にあって、春の叙勲並びに褒章の栄に浴された方々に於かれましては、ひとえに日頃のご精進とご努力の賜物と心からお喜び申し上げますと共に、今後一層のご活躍をご祈念申し上げます。

 

本日の会議は、昨年度事業の総括が主たる議題であります。限られた時間内で十分な議論は難しいとは思いますが、議事進行に付きよろしくお願いいたします。

 

以上会議の冒頭のご挨拶といたします。

 

 

 挨拶を述べる庄司全木連会長

 

会場風景

 

 

全木連webトップへ