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第64回全木連通常総会における全木連会長挨拶


平成20(2008)年5月8日
社団法人全国木材組合連合会
会長 庄司 橙太郎

 

 会議の開会に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
 本日は、第64回全木連通常総会・理事会並びに第36回木退共総会・理事会を開催いたしましたところ、全国各地から、はるばるご参集いただき誠に有難うございます。また、日頃から幅広くご指導いただいております井出林野庁長官、国土交通省の越海木造住宅振興室長はじめご来賓の皆様には、ご多用の中ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、わが国の経済は、緩やかな経済成長が続いてきていましたが、このところ米国の景気後退懸念や金融市場の変動、原油価格の高騰などから、景気の下振れリスクの高まりなど先行きが懸念されています。木材産業につきましては、平成19年の新設住宅着工戸数が改正基準法の施行等により前年の2割減少、このうち木造住宅は1割減少となり、これに伴い木材需要量が大きく減少するなど、大変に厳しい状況になりました。我々木材業界としましては、住宅着工戸数の増などによる早期の業況回復を念願していますが、景気動向の先行きに心配がないよう、国の的確な経済・金融対策等を強く期待するものであります。
 全木連は昨年8月に「木材・木造住宅対策本部」を設置し、建築確認の円滑化や業界の経営安定化に係る対策などに取組んできています。今後も、引き続き「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」など住宅建築に係る諸制度の施行、見直し検討が予定されており、また安全・安心で良質な住宅ストック・居住環境の形成などの施策も重点的に展開されています。全木連としては、これらの施策等を注視しつつ皆様方のご意見を伺いながら適切な対応に取組んでいきたいと考えています。
 さて、いよいよ本年から京都議定書の第1約束期間が開始されました。国は、約束した温室効果ガス排出量削減量の達成に向けて森林吸収源対策を加速化していく対策を講じています。木材業界は木材利用推進などの役割発揮が期待されています。これまでにも増して「木づかい運動」への参加、人々の生活、住空間、公共施設等への木材利用の促進活動、提案などに取組んでいくことが重要と考えています。皆様方の、それぞれの地域実情・事業展開の特色を最大限に活かした取組強化をお願いする次第であります。
 これらの取組みに当たって重要なことは、業界自らの体質改善、構造改革の取組みであります。すなわちマーケット、消費者・需要者を重視した取組み、すなわち循環利用可能な資源である木材の特徴を活かして、安心して利用していただけるよう品質性能の確かなJAS製品・乾燥材製品の供給、そして低コストで顧客満足度の高い商品の開発提供や生活空間への木材利用の提案などの取組みに限りない努力をしていくことが重要と考えています。また、木材需給構造も、木材輸入環境の変化とともに業界、需要者・消費者の国産材へのシフトが増してきています。
 全木連としましても、このような消費者・需要者のニーズ、木材需給構造の変化に的確に対応して、業界の明日への展望を切り拓くための生産・加工・流通の構造改革や木材需要拡大対策などの促進に努力していきたいと考えています。
 合法木材の供給体制整備の取組みにつきましては、認定事業者数は70百を超えるなど着実な実績を上げてきています。本年の7月に開催される「洞爺湖サミット」にメッセージを発信するため、「違法伐採対策国際セミナー」を6月末に開催することにしています。今後とも、合法木材の信頼性確保の取組み強化並びに行政機関等の合法木材使用の実需拡大に向けた働きかけなど一層努力していく考えであります。
 また、JAS関係の事業につきましては、平成21年2月末をもって全面的に「有限責任中間法人全国木材検査・研究協会」が行うことになります。全木連としましても、その円滑な移行に向けて指導・協力を図って参りたいと考えています。皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
 木退共事業につきましては依然として加入者の減少が続き、厳しい運営を続けています。加入者の獲得等共済制度の利用拡大に皆様のご協力をお願いします。なお、退職金共済経理につきましては、これまで同様に健全性を保っておりますことをご報告いたします。
 ところで、私事ではありますが、2期4年にわたる全木連会長職を、お許しを得て、このたび降板させて頂こうと思っています。後ほど役員改選後に改めて挨拶を申し上げますが、皆様方のご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。
 本日の会議は、平成19年度の事業報告及びその収支決算と役員改選が主たる議題であります。限られた時間ではありますが、十分なるご審議をお願いいたします。
 最後に、春の叙勲の栄に浴された木材業界の方々に於かれましては、日頃のご精進とご努力の賜物と心からお喜び申し上げますとともに、今後一層のご活躍をご祈念申し上げます。
 さらに、会員各位のご繁栄とお集まりの皆様のご健勝をご祈念申し上げ、冒頭のご挨拶と致します。
 有難うございました。

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