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年 頭 の ご 挨 拶


社団法人全国木材組合連合会
会長 庄司 橙太郎

 

 明けましておめでとうございます。
 さて、昨年のわが国経済は、一部に弱さがみられるものの全体としては依然として緩やかながら拡大基調を続けました。しかし、住宅関連投資につきましては、改正建築基準法等の施行に伴う確認申請手続きの厳格化等により大幅な住宅着工減少となりました。前年は住宅着工の順調な推移、木材輸入環境の変化等により木材価格も幾分上昇し、長期低迷状態から脱出できる前触れではないかとの期待を膨らませていましたが、状況は一変して住宅着工の大幅減という大波を真正面から受け、これらにより木材業界は深刻さが増した大変な一年でありました。先行きは不透明ですが、一日も早い業況の回復を念願するととともに、それに向けて各般にわたる一層の取組努力をしていく必要があると、思いを新たに致しているところであります。
 本年の7月には「洞爺湖サミット」が開催されます。このサミットでは、地球環境問題が大きなテーマになるとされています。循環資源である木材は地球温暖化防止にとても重要な役割を果たすものであります。全木連は、違法伐採対策推進のため、昨年末に開催した「違法伐採対策国際セミナー」を、本年は洞爺湖サミットを念頭におきつつ6月に開催することにしています。このサミットを契機として各方面に木材利用の重要性が飛躍的に広がり実需拡大が進むことを強く期待する次第であります。
 昨年秋の木材産業振興大会では、多様な連携の下に英知を結集して木づかい新時代を切り開いていこうという大会宣言が採択されました。これを実現していくためには、木材利用の最大の担い手である我々業界関係者が可能な限り多くの人々や関係機関に対して積極的な「木づかい」の働きかけを推進していくことが重要となっています。全木連としましても、人々の生活・住空間に木の良さをもっと活かしていただくよう提案、PR活動など積極的に取組んでいきたいと考えています。また、需要者・消費者重視の木材製品の供給、すなわち安心して使っていただける品質性能の優れた木材製品をきちんと安定供給できる体制や顧客満足度の高い製品づくりを進めていくことも欠くことのできないことであります。とりわけ、昨年に建築関係の諸制度が大幅に改正・制度化されたことを踏まえますと、JAS製材品など品質、産地などを明確に表示した木材、乾燥材の供給体制を整えていくことは焦眉の急であります。また、これまでにも増して設計者や大工・工務店等との連携強化を図ることが重要となっています。こうしたことにきちんと向き合って課題解決していくことが、今の状況から脱却でき得る道であると考えます。
 昨年から取組んでいる合法木材の供給体制整備につきましては、合法木材を供給する認定事業者数は65百を超えるなど着実な実績を上げています。マーケットにおいても合法木材の理解が進みつつあると思います。信頼される合法木材がより多く使用されるよう一層努力していく所存であります。
 木材産業は厳しさが続いていますが、本年も改正建築基準法等の施行に伴う木材利用に係る当面の諸課題や木材業界の未来を切り開くための対策の推進に努力したいと考えておりますので、どうぞ引き続き皆様方のご支援とご協力をよろしくお願い致します。
 終わりに今年は皆様方にとって良い1年となりますようご祈念申し上げご挨拶といたします。

 平成20年元旦

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