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第66回全木連通常総会・理事会における全木連会長挨拶


平成21(2009)年5月12日
社団法人全国木材組合連合会
会長 並木 瑛夫

 

 会議の開会に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
 第66回全木連通常総会・理事会並びに第38回木退共総会・理事会を開催いたしましたところ、皆様方には全国各地からご参集いただき誠に有難うございます。また、日頃から幅広くご指導いただいています内藤林野庁長官、国土交通省の越海木造住宅振興室長はじめご来賓の皆様には、ご多用の中ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、わが国の経済動向は、世界的な金融危機による景気後退が深刻な状況にあります。新設住宅の着工戸数は、平成21年になってからも更に停滞を続け、年率ベースで平成20年実績を大幅に下回ると予想されており、まさに木材産業の経営環境はかつてない厳しさに直面し、業界の先行きが大変に心配されているところであります。
 昨年秋に、開催した「全国木材産業振興大会」において、「新たな木材利用への挑戦で木材産業の再興」というスローガンの下に「宣言決議」や「緊急特別決議」を採択しました。これを受けて全木連は会員とともに政府の経済対策に木材産業の業況改善につながる対策が盛り込まれるよう関係各方面に働きかけを行いました。その結果、平成20年度の二次にわたる補正予算や平成21年度予算において、住宅・公共施設への木材利用推進対策、中小企業信用保証制度及び林業・木材産業の保証制度の充実等セーフティネット対策、原料転換や中小工場連携等促進のための木材産業総合対策などが実現し、また、税制改正では大幅な住宅減税対策の実現や「カーボンストック減税」の具体化に向けての道筋が開ける見通しとなったところであります。
 また、この4月27日には、経済危機対策として総額15兆円の21年度補正予算案が決定されました。このうち森林・林業・木材産業関連予算額は約2、537億円に及んでいます。全木連としては、この対策においては何よりも木材需要対策、セーフティネット対策が重要であると各方面にお願いしてきたところであります。のち程、内藤長官などからお話もあろうかと思いますが、住宅や公共施設、その他施設等への木材利用推進のため住宅展示や公共施設等への地域材利用の支援など画期的な対策、中小企業の緊急保証枠の拡大や農林漁業信用基金の新たな保証対策などセーフティネット対策が盛り込まれています。林野庁長官をはじめ関係政府機関・政党の皆様方の多大なご尽力に感謝を申し上げる次第であります。
 これらの諸対策の実施を通じて木材業界の業況改善が図られることを強く念願していますが、そのためにも特に21年度補正予算の一刻も早い実現を強く要請する次第であります。同時に、全国の各地域において我々業界自身による予算の有効活用に向けた取組みをしっかりと行っていくことが重要であると考えています。
 木材、とりわけ地域材の利用推進につきましては、この3月には多くの都道府県木連の参加の下に地域材の家づくりに関する木材、建築知識などの情報をワンストップでサービス提供する体制整備が開始され、また昨年12月に成立した「長期優良住宅の普及促進に関する法律」にあっては国産材の利用推進に配慮すると明確化され、関連する予算措置で地域材利用の取組みが数多く進められる、など住宅建築における地域材利用の新たな取組みが展開されてきています。また、国会においては議員立法による木材利用の促進に関する法制度の創設検討も進められております。産官学が連携して「木のまち・木のいえ推進フォーラム」が設立され、住宅・建築物への木材利用の一層の促進に向けた新たな活動が開始されています。我々木材業界はこのような諸対策等の枠組み、動きを前広かつ主体的に取り組み「新たな木材利用」につなげていくことが大切なことであると思います。併せて、消費者・需要者重視の木材供給・加工体制の整備、とりわけ品質性能、合法性の証明された木材製品、JAS製品、乾燥材の供給体制を整えていくことが緊要の課題であります。全木連としましても、このような諸対策の推進に取組んでいく考えであります。
 違法伐採に対する取組みは、マーケットにおいて合法木材の一層の理解促進と実需拡大、信頼性のある合法木材供給体制整備の着実な進化に向けた取組みを一層進めて参る考えであります。全木連のJAS関係業務につきましては、この3月からは全国木材検査・研究協会に全面的に移行しました。全木連の検査事業に長い間ご協力・ご理解をいただきました皆様方には感謝とお礼を申し上げる次第であります。
 木退協につきましては、加入者の減少が続いています。このままでは制度の維持に影響がでかねません。なにとぞ皆様のご協力をいただき、是非とも加入者獲得をお願いする次第であります。
 本日の会議は、平成20年度の事業報告及びその収支決算が主たる議題であります。限られた時間ではありますが、十分なるご審議をお願いいたします。
 最後に、春の叙勲の栄に浴された木材業界の方々に於かれましては、日頃のご精進とご努力の賜物と心からお喜び申し上げますとともに、今後一層のご活躍をご祈念申し上げます。
さらに、会員各位のご繁栄とお集まりの皆様のご健勝をご祈念申し上げ、冒頭のご挨拶と致します。有難うございました。

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