このページを  保存  お気に入りへ  印刷

(社) 全日本木材市場連盟 第50回定期総会・愛知大会における庄司会長祝辞


   

 

本日ここに、社団法人全国木材市場連盟第50回定期総会・愛知県大会の開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

まず、日頃から貴連盟及び会員の皆様には、全木連活動に対し多大なご協力を頂いておりますことに、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。

ここ名古屋では今、「愛・地球博」と題して万博が開催されており、日本中で最も活気にあふれた場所であり、注目を集めている時期であります。

この博覧会の主題は、かけがえのないこの地球を次の世代に引き継いで行くためには環境問題を真剣に考えなければならないという強烈なメッセージを訪れる内外の人たちに伝えることであります。

我々が取扱っている木材は、正にこのテーマに最もふさわしい自然素材であり、環境にやさしい建築材料であります。緑を活かした会場のレイアウトといい、会場内のグローバル・ループなど木材を使った構造物といい、このことを見事に表現ており、博覧会の成功を祈るばかりであります。

さて、最近のわが国経済は、輸出産業を始めとした一部産業の活発な生産活動に刺激され、底堅い景気回復基調にあるといわれておりますが、先行きは必ずしも楽観を許さず、特に木材産業はじめ地域密着型産業には、景気回復の流れに乗り切れず、未だに苦しんでいるところも多いと考えられます。

そうした中、新築住宅着工戸数は、前年を上回り、木材供給量も国産材、外材ともに好調に推移していますが、一方、木材価格は一進一退の状態が続いており、木材業界にとって依然として難しい経営環境といわざるを得ません。

特に、地域の重要な産業であり、国土保全・温暖化防止に貢献する森林・林業の活性化にはまず地域の木材産業の活性化が必要であります。このためにはなお一層の木材利用の拡大が重要であり、関係方面に対し積極的な支援策をご検討いただくよう要望しているところであります。

また、先般京都議定書が正式に発効したことを受け、政府は「京都議定書目標達成計画」を決定し、目標達成に向けた各般の取り組みを明らかにしました。そのなかで炭酸ガス削減量のうち3.9%の吸収源として期待されている森林部門に関しては、健全な森林の整備と併せて木材利用の拡大が重要であると明記されています。

このように、木材需要の拡大対策は、森林・木材産業界の緊急の課題というだけでなく、わが国の国際約束である地球温暖化防止にも貢献する国家目標でもあり、全木連としましても木材需要拡大対策に積極的に取組む所存であります。また、このために必要な資金源として環境税の創設等新たな財源対策にも引続き取組んで参ります。

この問題と関連して森林の違法伐採問題が地球規模の環境問題として7月英国で開催されるG8サミットにおいて取上げられる見込みであり、木材輸入国としてわが国も何らかの対応が迫られております。政府としては、まず、政府調達物品の中から違法材を排除することを考えており、具体的手法の検討が進められております。全木連としましては、既に平成14年声明を発表し、傘下会員に対して違法伐採材の取扱いをしないよう呼びかけて参りましたが、新たな政府の対策が実施された場合は出来る限りこれに協力すべきと考えています。

近年、消費者視点に立った木材供給のあり方が問題になっておりますが、品質規格等の明確な製品を供給し、消費者に対し十分説明責任を果たすことが消費者の理解を促進し、木にこだわりをもつ消費者を育てる最良の方法ではないかと思います。これは木材需要の拡大にとっても大変重要であります。中でも全木連の重要な事業の一つであるJASの普及推進につきましては、貴連盟始め関係者の絶大なご協力を賜わっておりますことを心から感謝申し上げます。特に毎年開催しておりますJAS展示会は、貴連盟傘下の木材市場のご協力を得て、毎回好評裏に実施されてきました。今年で第33回を迎えますが、引き続き貴連盟の特段のご協力をお願い申し上げます。

最後になりましたが、本日表彰を受けられた皆様には、永年の御労苦に対し深甚の敬意を表すると共に今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

終わりに、全国木材市場連盟並びにご列席の皆様のますますのご繁栄、ご健勝を祈念いたしましてお祝いの言葉とさせていただきます。

 

平成17年5月16日

(社)全国木材組合連合会

会長 庄司橙太郎 

 

 

全木連webトップへ