平成23年1月25日

(社)全国木材組合連合会

公共建築物の計画・設計の効率化に資する「木造計画・設計基準(仮称)」
についての検討状況について

国土交通省大臣官房官庁営繕部は、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(平成22年法律第36号)の成立を受けて、公共建築物の計画・設計の効率化に資する「木造計画・設計基準(仮称)」を策定するため、平成22年7月29日、官庁施設に係る「木造計画・設計基準(仮称)」に関する技術的検討を行うことを目的に、「木造計画・設計基準検討会」を設置し、昨年12月までに4回の検討を行っております。

現在までの検討結果については、資料を含めて、下記のホームペーで公表されておりますのでお知らせいたします。

また、官庁営繕部では、同検討会からの報告を受けて、平成22年度中に、「木造計画・設計基準(仮称)」を制定する予定としており、この基準の制定により、木造で公共建築物を整備する際の技術的な検討が、円滑かつ効率的になるものと考えているとのことです。

なお、第4回目の検討資料に、木造計画・設計基準(仮称)の構成とポイントがあり、そのうち、基準・資料(案)のポイントは、別紙のとおり、構造関係製材は原則JAS構造用製材を使用こと、建築基準法の木造仕様規定は住宅荷重ベースであるため、事務所荷重に対応するために四号建物(建築基準法第20 条4号に該当し、構造計算が不要の建物)も含め原則許容応力度計算を必須とすること などがあります。



国土交通省の「木造計画・設計基準(仮称)について」のページ
 http://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_fr4_000003.html




別紙

基準・資料(案)のポイント

○構造

  • 製材は原則JAS構造用製材を使用。JAS構造用製材以外を使用することができる場合については具体的に記載。
  • 建築基準法の木造仕様規定は住宅荷重ベースであるため、事務所荷重に対応するために四号建物(建築基準法第20 条4号に該当し、構造計算が不要の建物)も含め原則許容応力度計算を必須とする。
  • 長期にわたって使用する上で高い性能を求める施設について、変形性能の確認方法等を整理。

○防耐火

  • 建築基準法、官公法の防耐火の規定を体系的に整理。
  • 木造で計画する場合に活用される準耐火建築物、防火壁等の規定について、計画・設計段階で考慮すべき事項を記載。
  • 重要な財産・情報を保管する室は耐火構造の壁、床で区画することを記載。(部分的に対象室を鉄筋コンクリート造として構成することが選択肢のひとつとして考えられる。)

○耐久性

  • 住宅性能表示の等級2(50〜60 年)を基本として、仕様で規定。
  • 等級3(75〜90 年)の仕様を選択肢として記載。

○防犯

  • 壁・床の補強については、特別な対応となるため特に基準で定めず。

○音環境

  • 床衝撃音について、木造、事務所用途の測定実績が少なく、設計段階で数値の検証が困難なことから、対策の例を資料に図示。

○建築設備

  • 設備機器の計画にあたっては、適切な防振措置を講じるほか、建築構造等に問題が生じないよう計画することを記載。
  • 照度の算定にあたっては、各室の木質内装に応じた反射率を考慮することを記載。
  • 熱負荷計算にあたっては、室内負荷のうち木造及び木質内装に応じた構造体負荷などを考慮することを記載。

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