4 新たな木質資材についての質問と回答
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       Q 4−9 木質−窯業系ボードとはどのようなものですか。  | 
  
A1 
    合板、MDF、OSBなどの木質ボードでは、木質資材を有機系の接着剤を用い 
   て硬化させているのに対し、木質−窯業系ボードは、木質系資材をセメントや石膏 
   を用いて硬化させています。 
    木質−窯業系ボードの主なものとしては、木毛セメント板、木片セメント板、石 
   膏フレークボード、石膏パーティクルボードなどがあります。 
  
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    これらは、有機系の接着剤を用いて製造された木質系ボードに比べて無機材料の 
   比率が著しく高くなっています。無機材料は防火性、耐久性、耐候性に優れてお 
   り、また、木質材料は製品の軽量化、強度の保持、加工性の改善について優れてい 
   ます。 
  
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    木質−窯業系ボードの一般的な特徴としては、防・耐火性、耐久性、吸音性、遮 
   音性にが高いことがあげられます。 
  
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    次に、木質−窯業系ボード類の主なものについて説明します。 
  
     [1] 木毛セメント板 
      木毛セメント板は、長さ20cm以上、幅3.5mm、厚さ0.3〜0.5mmに切削した木毛 
      と呼ばれるひも状の木材を用い、これにセメント、硬化促進剤、水を加えて 
      ミキサーで混合し、成形・24時間以上圧締の後、1週間以上乾燥させ製品と 
      なります。 
      木毛セメント板には、難燃木毛セメント板と断熱木毛セメント板があり、木 
      毛とセメントの混合割合により決められています。木毛セメント板は、住宅 
      のモルタルの下地に適しているほか、工場、学校、スポーツ施設、ホールな 
      どの屋根下地や壁下地に使われています。
  
     [2] 木片セメント板 
      木質セメント板は、木片とセメントを混合、成形圧締、養生、乾燥等の行程 
      を経て製造されます。木片セメント板は、製品の比重により普通木片セメン 
      ト板(0.5〜0.8g/cm3)と硬質木片セメント板(0.8g/cm3以上)に分けられ 
      ます。また、木片の形状、木片量とセメント量の比、比重を変えることによ 
      り強度などの特性を変えることができます。 
      木片セメント板の特徴は、難燃材料であり、防火地域の住宅等の外壁として 
      使用が可能です。また、モルタルなどのセメントを基材とする資材は、クラ 
      ック(きれつ、ひび割れ)が入りやすいといった欠点がありますが、木片セ 
      メント板では、木材を混入することで耐凍結融解性が高くなりクラックが起 
      こりにくくなります。 
      さらに、木片セメント板はのこぎりでの切断や釘打ちができるなど加工性、 
      施工性に優れております。近年では、表面加工を施し、そのデザインの良さ 
      を生かした住宅等の外壁材が普及しています。 
     [3] 石膏パーティクルボード 
      木材小片(パーティクル)を石膏と混合しボード化した石膏パーティクルボ 
      ードは、ヨーロッパで製造され、アスベストを含む建材の代替品として普及 
      し始めていますが、日本ではまだ製造されていません。 
      日本では、石膏の表裏面に補強紙を張った石膏ボード使われていますが、石 
      膏パーティクルボードは、木片の混入により石膏ボードよりも静的強度、衝 
      撃強度が改善され、釘打ち性能が著しく向上しています。また、吸水による 
      膨張が小さく寸法安定性も改善されているのが特徴です。 
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