9 その他の回答


Q 9−1 住宅を解体した後の廃材は利用されているのでしょうか。

A1
  住宅を解体した際に発生する木くずは、廃棄物処理法という法律によって産業廃
 棄物として扱われています。
  このため、住宅の持ち主が住宅を解体しようとする場合は、解体費用に廃棄物の
 処理費用を上乗せした額で解体業者にお願いしなければなりません。解体業者は、
 解体材を廃棄物処理業者に処理費用を支払い引き取ってもらうことになります。廃
 棄物処理業者は、廃棄物処理法に基づき、最終処理を行うことになるのです。
 2
  木造住宅の解体の際に発生する解体材のうち、木くずは住宅1m2当たり0.38m3に
 なり、容積では解体材全体の5割となります。
  我が国全体では、解体材としての木くずの量は、年間、1,400万m3ほどになりま
 す。しかしながら、再利用される割合は2割程度と低く、再利用されるものも燃料
 として利用されるものが8割で、パルプ、木質ボードなどの工業原料として再利用
 されるものは、全体の4%しかありません。
 3
  これらの木くずは、ほとんどが角材や板の形態で発生しますが、発生時の形態の
 まま使用される銭湯燃料を除けば、ほとんどが木くずチップの状態で再利用されま
 す。
  昔であれば、住宅の解体は手作業で行われ、廃材も再び建築材料として利用され
 るものが多かったのですが、建築分野での廃材需要の減少、解体期間の短縮、解体
 コストの低減等の理由で、機械解体が一般的となり、建築材料への再利用は極めて
 希な状況となりました。
 4
  また、処理費用を抑えるため、不法投棄や不法な野焼きを行うケースも多く、こ
 れらに対する適正な対処も、再利用を推進する課題といえます。
  ちなみに、製材業、合板工業、集成材工業等から発生する木くずについては、多
 くがチップ生産、乾燥用燃料、キノコの培地、バーク堆肥原料、チップ炭原料、畜
 産敷き料などとして再利用されており、再利用されずに焼棄却されるものは、発生
 量の5%程度となっています。
 5
  なお、木質系廃棄物のリサイクル化を推進することは地球環境問題への対応とい
 う面からも課題ですので、(財)日本住宅・木材技術センターでは、木質系廃棄物の
 リサイクル化の研究を進め、そのいくつかは事業化が行われています。

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