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取材リポート:住友林業フォレストサービス株式会社

四国地域は新生産システム事業に参加している事業体がもっとも多い地域。今回はその中でも、愛媛地域を牽引する中核企業で、コンサルタントを兼ねた事業体である住友林業フォレストサービス株式会社をご紹介いたします。


 
 

住友林業フォレストサービス株式会社は、元々、親会社である住友林業が新居浜付近の所有していた社有林、約14000haを管理する会社として昭和55年(1980年)にスタート。

その後徐々に、原木や製品の営業、伐出作業の請負などの業務を扱うようになり、事業拡大をしていった。現在では管理業務よりも、原木(丸太)や製品の営業(流通)の方の取り扱いが大半を占めるようになった。

 

「四国地域」の資材の特徴について

四国北部地域は、スギとヒノキの産地で、メインはヒノキとなります。

ヒノキはもともと産地ですので、優良な資材であることが認められています。一方、四国北部のスギは、近隣の九州のスギとよく比較されます。四国のスギは九州のスギに比べ、成長が遅い分、性質としては「堅い」というのが特徴となっていて、住宅などの部材には使いやすいといわれています。

 

「流通改革」について

これまでは原木市場を介して、丸太を購入していましたが、これからは山林所有者から直接原木を購入するようにしました。原木市場での一番の課題は、原木の価格が下がったときでも、市場の手数料、マージンが下がることがないということでした。

山林での伐採コストは限界まで下がってきていますので、市場で一定の手数料がかかってしまうと、原木の価格が下落した際には、山林家は原木を供給すればするほど、マイナスになってしまうという問題が発生しました。

これでは、伐採の後、再度造林するということがなくなり、数十年後には資源がなくなってしまうということになります。

そこで我々はこの機会に原木市場を介さずに、直接丸太を購入する流通方法を進めることにしました。

 

安定的に原木を供給する方法について

住友林業フォレストサービス株式会社はこの地域のコンサルタントでもありますので、この点については一番の検討課題となっています。

この点については、前述の「原木市場機能の見直し」のほか、「団地化促進への支援」や「未利用資源の間伐促進」などの施策が考えられます。

「団地化の促進」とは、山林の一所有者の規模が大きくありませんので、その1つ1つと話をして、設備投資していてはとても採算はとれません。なので、隣接する所有者をある程度地域化、つまり団地化し、設備や道路などを共有していくことによってコストダウンを図ろうとするものです。もちろんこの前提には、一定の数量の購入を保証しなければ山林所有者も納得できる施策とはなりません。

また「未利用資源の間伐促進」とは、現在手をかけられていない、特に民間の山林について、間伐促進をしようというものです。全国にはいま手入れをしておけば、五年後、十年後は資材とすることができる山林がたくさんあります。

つまり、このまま放置しておけば資源にはならない山林も、いまきちんと管理をしておけばまだ使える木材が供給できるのです。今後の安定供給を考える上では、この未利用資源を有効活用することは、とても重要な施策となります。

 

「山林の蓄積量」と「開伐と間伐」

木材の蓄積量としては増えています。但しだからといって、伐採すればするほど収益が上がるかというと、その点もなかなか難しいです。

例えば、山林を間伐するだけで需要に追いつけるかというと、それでは厳しいですし、一度、開伐してしまうと、その場所は切りっ放しになってしまうことも多い。需要に応え、かつ今後のことも考慮すると、その後しっかりと造林ができるのかという点が、採算ベースにのるかどうかというラインにもなるのではないでしょうか。住友林業フォレストサービスは何とかこの点を解消し、山元に還元できるシステム作りができるよう、現在尽力している最中です。

 

「外材の高騰」と「世界一安いスギ」

現在、外材が世界規模で需要が拡大し、高騰しています。それに対して、蓄積量の多い日本のスギは、「世界一安いスギ」と言われ国内での需要が拡大しました。需要が拡大することで、材価の底上げが起こり始めていますので、少しづつ山元への還元もできるようなことになってきました。住友林業フォレストサービスは自社の加工部門への設備投資以前に先ずは山元への還元をここ数年は積極的に行っていきたいと考えています。

 

「新生産システム事業」に参加するきっかけ

もう少し取り扱い数量を増やし、ネットワークを広げて、山元から安定的に資材が供給される仕組みを構築したかったというのが参画した最初の動機です。そしていくいくはこの四国地域で核になる企業になりたいというのが大きな目標です。

もちろん、ここまでの活動だけでも、少しづつ四国の中での存在感をアピールできてきていますし、取り組みについても、少しずつ理解し始めてもらえているという実感があります。

将来的には、この「新生産システム事業」における取り組みが、十数年後も、住友林業フォレストサービスの中できちんと活かせる仕組みになっているか、またそうできるよう努力しているところです。またこの新生産システム事業だけでなく、派生的にいろいろな手法が発展的に展開できれば、さらに良いシステム作りができるのではないかとも考えています。

 

「新生産システム事業」に期待すること

住友林業フォレストサービス自体には、山林所有者と直接交渉するノウハウがありません。この部分は森林組合様などのお力を借りながら進めていかなればなりませんので、皆様との調和を図りながら、住友林業フォレストサービスしかできない部分をお手伝いしていかなければなりません。この新生産システム事業によって、このような連携が上手く進み、まずは山元の方々が喜んで事業ができる仕組みができることを期待します。

実際、この事業推進後、材価の価格を数年ぶりに値上げすることができました。この点、山林家の方には、かなり喜んでいただけることができました。少しずつですが、既に成果が見えはじめています。





住友林業フォレストサービス株式会社 本社外観
URL:http://www.sumitomoforestry.co.jp/