このページを > 輸出用木材梱包材の規制を巡る諸外国の動向 |
平成17年2月17日 (社)全国木材組合連合会 日本から輸出する貨物用の非加工木製梱包用資材については、各国が対象品目、対象害虫及び消毒基準等の諸基準をそれぞれ設定しているために、我が国の輸出関連業界及び梱包材事業者等は各国の検疫基準に個々に対応しているところであります。 既にご案内のとおり、我が国の主要輸出国は、非加工木製梱包材に対する検疫措置についての統一基準である国連食料農業機関(FAO)の国際植物保護条約(IPPC)に基づく「国際貿易における木製梱包材規制のための指針」ISPM 15(以下国際基準15)を導入する動きが加速しており、また既に国際基準15による規制を実施している輸出国もあります。 従って今後非加工木製梱包材を使用して輸出する梱包事業者は、農林水産省(植物防疫所)の※「輸出用木材こん包材生産者登録」を受け、国際基準15による統一の国際承認マークを自らの責任において表示するこの新しい検疫措置に適格に対応していくことが求められます。
梱包材生産者が「輸出用木材こん包材生産者登録」を受けるにあたって消毒を依頼する者は当会が認証した「梱包材処理生産者(熱処理工場)」であることが条件となっています。 このために、今後EU諸国が現在の認証処理施設によるマーキングシステムから国際基準15に移行(平成17年3月1日EU諸国への入港日)後であっても、梱包事業者が「輸出用木材こん包材生産者登録」を受けるための「依頼熱処理工場」は、今後も引き続き熱処理工場としての認証がなされた工場であることが必要となりますので充分ご留意ください。 また、主だった国の最近の「輸出用木材梱包材を巡る諸外国の動向」は下記のとおりとなっています。(平成17年2月15日現在の植物防疫所HP公表等。) なお、下記の内容は現時点での当会が得た範囲内の情報となっています。 詳細且つ確実な最新の検疫情報は、農林水産省植物防疫課又は最寄りの農林水産省植物防疫所にお問い合わせのうえ、ご確認いただきますようお願いいたします。
記 1. EU諸国 平成13年3月、マツノザイセンチュウ発生国から輸出される非加工針葉樹梱包材(クロベ属を除く)については、熱処理による検疫措置を同年10月から実施している。 我が国は登録認証機関(全木連等)に登録した認証梱包材生産者(熱処理工場)が、EUに認可を受けた統一のマークを処理済みの梱包材に表示し対応している。 平成15年11月EUは、世界貿易機関(WTO)・衛生植物検疫措置に関する委員会(以下SPS委員会)に国際基準15に沿った検疫措置を導入することを通報した。 実施時期は、平成16年7月1日を予定しているとの情報であったが、平成16年5月、EU委員会は新たな規制を平成17年3月1日から実施する旨SPS委員会に通報した。 平成17年2月、実施日は平成17年3月1日にEU諸国への入港日とする旨農林水産省から連絡があった。 なお、処理基準は熱処理又は臭化メチルくん蒸としているが、マツノザイセンチュウの発生国である我が国からの針葉樹材および広葉樹の処理は熱処理のみとなる。 新たな規制が実施されると、現在の認証梱包材生産者(熱処理工場)が処理済の認証マークを表示するシステムが廃止されることとなり、別途新たに梱包事業者が植物防疫所の「輸出用木材こん梱包材生産者登録」を受け後に国際基準15の統一マークを表示する必要がある。 なお、前述のとおり、梱包事業者がこの生産者登録を受けるには、当会が認証した熱処理工場への処理委託が必要条件となっていることから、熱処理工場は認証のスタイルは変わるものの、引き続き認証の維持が必要となる。 また、認証熱処理工場が自ら梱包事業を行い、国際基準15の適用国に輸出する場合は梱包材事業者として別途「輸出用木材こん梱包材生産者登録」を受ける必要がある。 2.カナダ 平成15年3月、カナダ政府はマイマイガ、キクイムシ等カナダに未発生の木材害虫の侵入を防止する観点から、カナダ向け非加工木製梱包材については国際基準15に沿った検疫措置を導入することをSPS委員会に通報した。当初実施日を平成16年1月2日に日本を離れる荷口から実施する旨通知があった。 平成15年10月、本検疫規制に対応するため、農林水産省消費・安全局は「輸出用木材こん包材消毒実施要領」を制定した。この要領により、国の登録を受けた消毒認証機関(全木連等)が消毒実施者を認定し、国(植物防疫所)から輸出用梱包材生産者の登録を受けた梱包材生産者は、「認証梱包材生産者(熱処理工場等)」が処理した梱包材を使用して梱包を行ない、これに国際基準15に即したマークの表示を行うことした。 しかし、平成15年11月、カナダの植物検疫当局から厳正な国際基準15による検疫措置の実施時期については延期する旨通知があった。 但し、厳正な検疫措置の実施時期については未定であるが、平成16年1月2日以降、規制導入の第1段階として、国際基準No.15に適合していない木材こん包材は到着地で留め置き検査が実施され、規制対象病害虫が発見されれば廃棄等の措置が履行される。また、規制不適合木材こん包材についてはカナダ側から通知がなされる。 なお、北米自由貿易協定(NAFTA)3国のカナダ、米国及びメキシコからなる北米植物保護機構(NAPPO)は国際基準の導入を同一期日に行いたいとのことであったが、平成16年5月、カナダ検疫当局から、厳格な検疫措置の実施時期を平成17年4月1日にすると伝えてきた。 平成17年1月、規制の実施時期を平成17年9月16日とする旨連絡があった。 3.米国 平成15年5月、米国政府は米国向け非加工木製梱包材について、国際基準15に沿った検疫措置を導入することを米国官報(7CFRPPart319)に掲載した。 平成15年11月、平成16年1月2日に日本を離れる荷口から実施することにしていたが、適用時期を延期する旨発表がなされた。なお、適用時期については未定。 平成16年9月、米国政府はSPS委員会に通報した。規制開始日は平成17年9月16日としている。 4.メキシコ 平成15年12月、メキシコ政府はメキシコ向け全ての非加工木製梱包材について国際基準15に沿った検疫措置を導入することをSPS委員会へ通報した。 平成17年1月、規制の実施時期を平成17年9月16日とする旨連絡があった。
5.韓国 平成15年7月、韓国政府は韓国向け非加工木製梱包材について国際基準15に従った検疫措置を導入することをSPS委員会へ通報した。 なお、処理基準は熱処理又は臭化メチルくん蒸としているが、マツノザイセンチュウの発生国である我が国からは熱処理のみとなる。 平成16年3月、韓国植物防疫所のホームページに同国に輸入される梱包材に対する新たな規制の実施開始日を平成16年年6月1日から平成17年6月1日に変更する旨の情報が掲載された。 6.中国 平成11年12月から、輸出用に使用される針葉樹の非加工木製梱包用材については熱処理を施した旨を(社)全国植物検疫協会が消毒証明書を発行、広葉樹には「非針葉樹声明文」、木材以外は「非木材声明文」を輸出業者が発行して検疫措置に対応している。 平成15年12月、中国政府は中国向け非加工木製梱包材について国際基準15に沿った検疫措置を実施することをSPS委員会へ通報した。 処理基準は熱処理又は臭化メチルくん蒸としているが、マツノザイセンチュウの発生国である我が国からの針葉樹材は熱処理のみとなる。 平成17年2月、中国植物検疫当局のホームページに、平成18年1月1日から国際基準15に従った方法を採用する旨掲載された。 7.スイス 平成16年2月、スイス政府は国際基準15に従った検疫措置を導入することをSPS委員会へ通報した。平成16年7月1日から実施する旨の提案がされている。 8.ニュージーランド 平成15年4月、新しい輸入検疫基準を同年5月8日から実施する旨公表した。 9.インド 平成16年4月1日から実施予定としていた国際基準15による新たな検疫規制を同年6月1日(インド入港日)に延期する旨3月29日付けで告示した。 その内容は、国際基準15を採用している国からは国際基準15による処理済マークの表示のみで可とし、その他の国際基準15を採用しない国からは植物検疫証明の添付が必要となる。 平成16年5月、6月1日はインド入港としていたが、日本を出港する日(荷口)と訂正し、同月末日に再度適応月日を11月1日に変更した。 平成16年10月にインド農務省から、当該規制は平成16年11月1日に日本を出航する荷口(B/L日付け)から適用する旨回答があった。 10.南アフリカ 平成16年4月、南アフリカ政府は国際基準15による新たな検疫措置を平成17年1月1日から実施するとSPS委員会に通報した。 平成16年11月上旬、南アフリカ検疫当局から当該規制は平成16年11月1に日本を出航する荷口(B/L日付け)から適用する旨回答があった。 平成16年11月中旬に、南アフリカ検疫当局から上記規制を修正し、当該規制は平成17年1月1日に南アフリカに到着(入港月日)から適用する旨回答があった。 なお、平成17年1月1日〜平成17年2月28日までは、国際基準15に従っていなくても返送されないようである。 また、平成17年3月1日から南アフリカに輸入される木材こん包材は、B/L、月日に関係なく、国際基準のマークが表示されなければならない。 11.フィリピン 平成16年6月、フィリピン政府は国際基準15による新たな検疫規制を平成17年1月1日から部分的に実施し、同年6月1日から完全実施するとSPS委員会に通報した。 平成16年12月在フィリピン日本大使館の情報による規制の概要は、 @平成17年1月1日到着(入港月日)〜5月31日までは国際基準15に沿った検疫規制を実施し、マーク表示又は植物検疫証明書を添付すること。 A平成17年6月1日到着(入港月日)荷口から完全実施する。 12.コスタリカ 平成16年8月、コスタリカ政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。なお、今のところ導入開始日には言及していない。 13.チリ 平成16年8月、チリ政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。実施は平成17年6月1日とのこと。 14.トルコ 平成16年10月、トルコ政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。実施は平成17年1月1日とのこと。 平成16年12月、当該規制は平成17年1月1日にトルコに到着(入港月日)から適用する旨回答があった。また同月ホームページに国際基準15の適用を平成18年1月1日からは義務づける旨公表した。 15.ナイジェジア SPS委員会への通報はないが、平成16年9月30日から国際基準15によっているようである。 16.ブラジル 平成16年10月、ブラジル政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。実施日は未定のようである。緊急対策として証明書発行に関する規則を制定した。現在は植物防疫所が証明書を交付することとなっている。 17.コロンビア 平成16年7月、コロンビア政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。 平成16年12月上旬、コロンビア政府から、当該規制は平成17年1月1日にコロンビアに到着する荷口(B/L日付け)から適用する旨回答があった。 平成16年12月下旬コロンビア検疫当局は、ホームページに検疫規則の施行を平成17年9月15日まで延期する旨公表した。 18.オーストラリア 平成16年6月、オーストラリア政府は国際基準15に沿った検疫規制を導入する旨SPS委員会に通報した。 また、平成16年9月1日から従来の取り扱いに加え、国際基準15に沿った措置も認める旨自国のホームページに公表した。 平成16年6月、オーストラリア政府は梱包材規制に関する法令を改正し、HTマーク(熱処理)又はMBマーク(燻蒸処理)を押印させることとした。
梱包材の検疫措置・梱包材生産者登録に関しての問い合わせ先
・ 農林水産省消費・安全局 植物防疫課 検疫対策室 〒100-8950東京都千代田区霞ヶ関1-2-1 TEL: 03-3502-8111内線 3260、 3262 FAX:03-3502-3386 ・ 農林水産省 植物防疫所 ホームページ http://www.pps.go.jp/
〒231-0003横浜市中区北仲通5-57 横浜第2合同庁舎内 TEL: 045-211-7155 FAX:045-211-2171 ・ 農林水産省 名古屋植物防疫所 輸出及び国内検疫担当 〒455-0032名古屋市港区入船2-3-12 名古屋港湾合同庁舎内 TEL: 052-651-0114FAX:052-651-0115 ・ 農林水産省 神戸植物防疫所 業務部輸出及び国内検疫担当 〒650-0042神戸市中央区波止場町1-1戸第2地方合同庁舎内 TEL:078-331-2384FAX:078-391-1757
〒801-0841北九州市門司区西海岸1-3-10 門司港湾合同庁舎内 TEL: 093-321-2809FAX:093-332-5189 ・ (社)全国木材組合連合会 検査部 〒100-0014東京都千代田区永田町2-4-3 TEL: 03-3580-3215FAX:03-3580-3226
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