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3-3 スギの乾燥は難しいと聞きますが。

3-3 スギの乾燥は難しいと聞きますが。

A1
  一般的にスギ材は、他の樹種に比べて乾燥が難しいとされており、その要因として、
   [1]初期含水率(乾燥直前の含水率)が高く、材によって含水率のバラツキも多い
   [2]辺材(丸太状態での周辺部分)の含水率が非常に高く、心材(丸太の中心部
    分)との差がおおきくある
 等があります。[1]については、ヒノキという樹種の含水率は、心材部で35~40%、
 辺材部で60~80%程度ですが、スギは、心材部で70~80%、辺材部で150~170%と
 なっています。初期含水率が高いと乾燥に時間がかかり、乾燥コストが高くなって
 しまいます。
  [2]については、心材部と辺材部の含水率の差が大きいということは、乾燥を行う
 上で技術的に難しくしている最大の理由といえます。

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 木材中の水分は主に材の表面から蒸発して出ていきます。木材は水分を含むと膨潤
 し、水分が抜けると収縮する性質があります。したがって、乾燥の過程では表面は
 収縮し内部が膨潤した状態となり、その差ができている部分の木材では引張られた
 状態(引張応力状態)となり、この部分では割れが発生します。このため割れを最
 小限におさえるよう内部の含水率を均等に落とすことが必要となります。
  しかし最近では、新しい技術として、高温乾燥や高周波加熱減圧乾燥の適用によ
 る急速乾燥技術や加熱、減圧、圧縮、爆砕、インサイジング、細菌利用など各種前
 処理等による水分通導性の改善等がいろいいろ検討されています。
 
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  スギ材の乾燥では、初期含水率を極力そろえることが重要ですので、例えば、材
 の重量で選別を行い、重量差が少ないグループ毎に乾燥を行うことも有効です。

   
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