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CASBEEすまい戸建て版評価マニュアルについての全木連の意見


平成18年12月28日
社団法人全国木材組合連合会


木材業界は「木材は、現在の、国民の住生活の基本を支える重要な資材であるとともに、再生可能、温暖化ガスの固定化、省エネルギーなど、未来の、持続可能な地球を支える大切な役割を負っている。」(第41回全国木材産業振興大会宣言決議)としてエコマテルアルとしての木材利用推進をしているところです。このような中で、木材の主要な需要部門である住宅の環境性能を評価しランク付けする、CASBEEすまい戸建て版評価マニュアル(以下マニュアルという)については、木材業界として大変高い関心をもっているところです。今回、意見を広く集めるため、マニュアルが試行版という形で公表されたことに敬意を払うとともに、社団法人全国木材組合連合会として以下の通り意見を提出するものです。

1 住宅構造間の省資源・エネルギー性の差異
マニュアルではLR2. 1.省資源、廃棄物抑制に役立つ材料の採用 1.1 構造躯体(103ページ)の項目で、木質系、鉄骨系、コンクリート系と三つのカテゴリーにわけて評価をしているが、この三つの構造によって資材の製造過程でのエネルギーが明確に違い、木造建築の省エネルギー性が指摘されているところであり(大熊幹章(2003)、John Perez-Garcia et al.2005)など)、構造別の評価をするのであれば、木質系の構造を他の構造より評価レベルを上げる形としていただきたい。

2 合法性が証明された木材
本年度からグリーン購入基本計画により国が優先調達すべき特定調達物品に「原料として使用される原木は、その伐採に当たって生産された国における森林に関する法令に照らし合法な木材であること」という規定がなされたことから、林野庁が定めたガイドラインに基づいた合法性が確認された木材(以下合法木材という)の供給体制が整備さているところである。マニュアルはLR2. 1.省資源、廃棄物抑制に役立つ材料の採用 1.1 構造躯体、1.2 地盤補強材他、1.3外装材、1.4内装材の各項目の評価基準に、合法木材の利用を評価する仕組みを組み入れていただきたい。

3 持続可能性な森林から産出された木材
「FSC認証材等第三者機関に認証された木材」に限らず、国有林材や森林施業計画に基づいた木材など行政によって一定の基準を満たしていると認定されている材は幅広く評価されるよう規定を検討して頂きたい。

参考文献
大熊幹章「地球環境保全と木材利用」、2003年、林業改良普及双書、林業改良普及協会 p64
John Perez-Garcia et al.2005,The Environmental Performance of Renewable Building Materials in the Context of Residential Construction, Wood and Fiber Science, Volume 37

 

 

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