〔文責:企画部指導課・細貝〕

 

第4回「異業種交流会・勉強会合同セミナー&パーティ@秋葉原・万世」!!

ニューマーケッター泉田豊彦が語る

テーマ:「アメリカ視察ツアー報告:アメリカ最新流通事情、ビジネストレンド'99」

 

米国の最新事情

 

日 時  平成11年 8月26日(日)15:30〜16:40

場 所  万世ビル8階 会議室

講 師  叶田事務所 泉 田 豊 彦 代表

 

概 要

・7月に泉田ツアーで米国に行ってきた際、5日で900枚の写真を撮った。撮ったものは米国製のスライドショーソフトKAIという8千円程度のソフトで処理した。

・フォーションという雑誌に従業員にとって100のよい会社のランキングが載っているが、日本でも会社のランキングはあるものの働く人にとって良い会社のランキングがない。

・働くお母さんにとって良い会社のランキングもあったが、「ハンナ・アンダーソン」という子供服の会社は、北欧出身の人のお母さんの名前を取った会社で、子供服は直ぐに体に合わなくなるのでいらなくなるが、着れなくなると買った値段の3割の価格で買い戻している。その服はクリーニングされ、恵まれない子供の施設に寄付される。

・「働く人にとってよい」基準が重要である。このNO1はサウスウエスト航空で、28年間、増収増益を続けている。色々ことに関してもエアライン部門だは常にNO1である。役員の半数は女性が占めている。

・マイクロソフトはNO8である。日本企業の現地企業で唯一100社に入っているのは、ホンダ1社のみである。

・ハーマンミラーはミシガン州にあるビジネス家具の会社で、2000億円の売上である。

・ドメリーは車のサイドミラーやバックミラー、室内灯、ドアの取っ手などを作る会社である。

・スマッカーはオハイオ州のオールビルにあるジャムを作る会社である。

・ウエグマンは食品スパー。

・100社のうち16社がノンレイオフの看板を上げている。

・特徴的な内容としては、従業員の人生の大きな区切りには会社が合計1万ドルまで負担するとか、昼食はただとか、子供の保育施設が社内にあったり、近くの施設と契約しているとか、サウスウエストでは、ジャンプシートは社員はただとかである。

・日本では仕事を難しく考えすぎ過ぎる。だから男しかできないとか考えてしまう。よく女性の活用などというが、性別で判断するのは間違っている。

・ディナー?という全米に300店舗を有する会社があるが、70億ドルの売上があるが、半分は女性店長である。店長の役割は売上を伸ばすことであり、「売ってくれる人」であればよい。シンプルにやさしくすることがことが必要である。日本では現場に多くのことを押し付けている。売上を上げるようにすることが本社の役割である。

・逆に見れば、従業員にやさしいということでもある。中心に人がいる仕組みを作ること。リストラだから首を切るということではなく、そのためにどうすればよいかを考えることが重要ではないか。

・今後、色々な分野で自由化により戦う必要が出てくる。

・キーワードはベネフィット(得すること)、モチベーション(どうやったら働くか、その気にさせるか)、インセンティブ(馬のニンジンのようなもの)で、今のリストラはすさんだ組織になってしまう可能性がある。

・また、今回のツアーは旅行社に頼らず、INETで全て探して組んだ。米国の会社は日本の会社案内的なものでなく、社長や会長の挨拶があっても、日本のようにどの会社も同じ様な挨拶ではない。また、会社の歴史がのっていたり、アニアルレポートはPDFで決算報告書のデータが取れるようになっている。

・米国と日本の人口を比較した場合、

  米国 2.6億人(2倍)  →2050年 3.98億人(4倍)

  日本 1.3億人      → 〃  1億人弱   

となっており、日本は高齢化が深刻で、国力も弱くなる。米国は買いである。

・米国では一人世帯が増えている(3/4が60歳以上の女性)が、日本では年を取った男は嫌われる。年を取った男が一人で生きていくノウハウ(楽しく)が必要ではないか。逆に言えば、日本で暮すか米国で暮すかの選択視もある。

・今回のツアーで、レインフォレストカフェに行ったが、人気の物販、お土産コーナー等があり、単に食事が美味いとかだけでなく、楽しいレストランを演出している。日本では、マイカルがキャオという展開で真似ているが、訴えられたら負ける可能性がある。どう美味しく、楽しく食べさせるかが重要で、椅子も動物の下半身をモチーフしたりしている。

・アウトドアワールドは3,500坪の敷地があり、ハンティング(鉄砲)のコーナーは300坪あり、ハンターが目標としている動物の剥製を飾るなど、買う気にさせる演出をしている。フィッシングコーナーは千坪あり、店内にある大きな水槽にはバスや釣りの対象となる魚を入れ、側に、魚の解説板を設置(泳いでいる魚を釣りたくさせ、釣り具を買わせる)し、インドアでアウトドアをどれだけ演出するか、外のイメージにより、買わせるための演出に工夫をこらしている。レジも山小屋風になっていて探しやすいようになっている。天井も空をイメージさせ、自然光を入れ、明るい店内としている。

・販売コストを下げながら、新しい手法を取入れ、次の新しい売り方をしている。スパイラル曲線を描きながら、次の次元に行っている。似ていても過去とは違っており、過去には戻らない。

・マイヤー(MEIJER)はミシガン州に60店舗、全米に120店舗を構えるが、10万人に1店舗(1万u程度の店舗面積)で、ワンストップ・シッピング方式を取っている。米国では大手もコンビニエンスを展開しているが、日本ではやっていない。店内には目立つところに工夫されたリサイクルコーナーがあったり、レジ35台の内、5台がセルフサービスレジで待つのが嫌いな人は自分でレジをする。(自分でやっても価格は同じでサービスはない。待たないのがサービス。)

・コスト削減もお客によいことができないかを考え、お客に楽しんでもらいながら、コストがかかっていないことを分からせない工夫をしている。

・以前、台湾での栗を通りを挟んでまったく同じ物を、100g100円の店と100g150円で売っている店があった。100円の店は行列が出ていて、150円の店は売れていない。150円の店に行ってこのままでは駄目でないか話したことがあったが、高くても直ぐ買えることに価値を見出す人がいるのでよいとのことだった。

・セルフサービスができたのは100年前であるが、マイヤーのセルフレジのような実験を色々とやる必要があるのではないか。やれば結果は直ぐ出る。銀行も窓口→ATM→INETに誘導している。

・売り方も営業マンが行ってやる場合と、営業マンがいかない場合は掛け率を少なくするなど、顧客が何を求めているのか考える必要がある。急ぐといる時は、スピードに価値がある。現在のサービスは顧客が不在ではないか。

・セブンイレブンも新店舗は売上を伸ばしているが、既存店は前年割れである。商品の入替も多く、前売っていたものがなかったり、サービスが高コストになっている。タクシーのドアにしても自動の方がよいが、その分コスト高になっている。お客が手で開けることを含め、原点に返って考える必要があるのではないか。

・ナイヤガラの滝の直ぐ先にオンザレイクというところがあるが、園芸大学があり、統一したコンセプトの基に街づくりをしていて、花がいたるところにあふれている。そこには1シーズン持つような色々な花があり、街の周辺には園芸屋も多くある。アイスワインの産地もある。

・まとめると、

@働く人に良い会社、働く人に役に立つ会社

A時代の変化をとらえ、コストをかけないで(サービスはコストをお客に負担させているものであるが、その負担を分からせないで、かつ、楽しませる工夫

Bアイモードは来年のキーワードになるが、ホームページもアイモード対応にする必要があるのではないか。