労働災害を防止し、

    労災保険収支の改善を図ろう

1.労働災害の現状  〜暮らしと経営を圧迫する労働災害〜

  労災保険料率は、3年ごとに見直しが行われます。昭和56年4月に千分の26であったのが、

 平成7年4月に千分の24に、10年4月には千分の23に引下げられました。

  平成13年4月からの料率は据え置きとなりましたが、その後の労災保険収支率は大きく悪

 化して、このまま推移すれば、次回の平成16年4月からは、アップする可能性があります。

 ・過去、2回の料率の引き下げは、当協議会木材・木製品部会の林材業ゼロ災運動、
  災害防止活動、労災保険収支改善活動の成果が評価されたことにあります。
 ・昨今の、我が国産業の景況悪化により、労災保険全体の会計収支は、収支均衡の
  達成が厳しい状況が見込まれています。
 ・従って、次回の料率改定の際に、各業種の労災保険収支状況が厳しく査定され、
  収支均衡を達成していない業種の料率が引き上げられる可能性が強くあります。


労災保険料率が引き上げられると、その負担は木材・木製品製造事業者にかかってきます。

例えば、従業員10人、年間売上高2億3,000万円、賃金総額3,500万円の木材・木製品製造事業者の場合、労災保険料率が現在の千分の23から27に引き上げられると年間、14万円の負担が増加することになります。

 木材・木製品製造業界全体では、30億円超もの負担が増加します。

    現下の木材・木製品製造業の労災保険料収入に対する労災保険支出の比率つまり収支率の

 推移を見ると、平成3年当時は86.5%でほぼ収支均衡を保っていました(実際の収支均衡は、

 100%ではなく、事務施設費などの諸経費がかかっているため80%の前半の数字になります。)。

  しかし、その後は、木材産業の景況の悪化に伴う事業量の減少を背景にした収入が減少し、

 平成11年度には134.4%にまで悪化しています。

このままでは、労災保険料率が引き上げられる可能性が強くあります。(図表)

2.林材業ゼロ災運動の着実な成果  〜明るく 快適な職場づくりのためにも〜

  木材・木製品製造業の死傷者数は昭和35年の34千人をピークに減少傾向にあり、平成10

 には5千人、12年には4千人を下回りました。死亡者数は、昭和44年の175人から、平成9年には

 19人まで減少しました。(災害の図)

景況の低迷による事業量の低迷ということもありますが、私達の林材業ゼロ災運動、災害防止活動、

労災保険収支改善対策の努力によるものも多くあります。

  もうお分かりですね。労働災害を減少させれば、労災保険料率の引き上げを防ぐことができます。

 保険料収入に対する労働災害の発生による労災保険支出が少なくなれば、保険料率の引き下げも

 可能になります。災害の少ない製造業の労災保険料率は千分の5.5です。

つまり、災害を限りなく減少させれば、現在の千分の23が千分の5.5まで引下げができるということです。

    林材業ゼロ災運動により、労働災害を減少させ、未納事業者をなくせば、皆様の労災保険料の支払

 額が少なくなります。

  木材・木製品製造業の労働災害は、製造業の中でもワースト2です。あなたの事業場を明るく快適な

 無災害職場として、魅力ある産業に革新するためにも林材業ゼロ災運動に真剣に取組みましょう。