レポート


令和4年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業レポート

秋田スギの新たな価値を創出する「秋田スギDLT」
― 大館北秋田地域林業成長産業化協議会 -

令和4年10月26日(水)~28日(金)の3日間、東京ビッグサイトで木材の利用推進や販路の開拓、地場産業の育成、ブランド育成を目的とした見本市「第17回ふるさと建材・家具見本市」が開催され、全国から国産材の展示ブースが出展し、賑わいました。その中で、大館北秋田地域林業成長産業化協議会は、令和4年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業に採択され、秋田スギDLTの利用拡大・普及に向けたさらなる取り組みとして「ふるさと建材・家具見本市」にブースを初出展。建築関係者や設計者の皆さまからの大きな注目を集めました。

 

DLTで秋田スギ材の利用拡大に活路。


古くから秋田スギの産地として知られている大館市は、平成29年度の林野庁「林業成長産業化地域創出モデル事業」に選定されたことをきっかけに大館北秋田地域林業成長産業化協議会を設立し、秋田スギをはじめとする秋田県産材の需要拡大と安定供給体制の構築を目指してきました。その中で今取り組んでいるのが秋田スギを使ったDLT(Dowel Laminated Timber/木ダボ接合積層材)です。DLTは、並べた材に穴を開け、木ダボを差し込むことで製造でき、地域の小さな製材工場等でも大規模な投資をすることなく製造することができます。また、集成材のように接着剤等を使用しないので、100%木材の積層材であることも魅力です。今まで建築用材に使用できなかった材もDLTに加工することで構造用の床パネル、壁パネル、屋根パネルや意匠材など様々なシーンで活用していくことが可能になります。
 

会場では、想像を超える反響が!

大館市産業部林政課の千葉泰生氏(写真中央)
 
協議会事務局を務める大館市産業部林政課の千葉泰生さんは「ネームバリューがある秋田スギとDLTという新技術をコラボさせて、秋田スギの新しい使い方を提案し、普及させることで、川上・川中・川下の循環を活性化していきたいと考えています。協議会では12月中旬の大館市役所の庁舎に秋田スギDLTのショールームを開設する予定ですが、大きなイベントにブースを出展するのは今回が初めてです。今後も機会があれば積極的にPR活動をしていくつもりです」。来場者の反応をお聞きすると「秋田スギの名前に惹かれてブースに立ち寄ってくださる建設業者や設計者の方が多かったです。マンションのリノベーションに秋田スギDLTを使いたいという方、秋田県内の中大規模建設をする際に地元材を使用したいので秋田スギDLTを検討したいという方など、思った以上によい反応がありました」としっかりとした手応えを感じていました。


令和4年度 顔の見える木材での快適空間づくり事業
大館北秋田地域林業成長産業化協議会
秋田スギDLT試作及び利用拡大・普及 事業計画書(PDF)