1.2.3.4.5.6.7.8

 

この問題は非常に多面的な危機の様相を持っている。自由化の進行、マイナスの経済成長の長期化等の要因が相まって、経済の実質的なセクターが崩壊したままであること、また貧困の緩和も進まないこと、そして高い失業率と貧困が非常に長引いていることなどの事柄が起きている。こういった状況の中、国民は、手っ取り早い解決策をとる。このひとつがフォレスト・エンクローチメント、あるいは森林の浸食と呼ばれているもの(焼き畑なども含む)であり、もうひとつが違法伐採である。この2つの要素が相まって、森林の劣化を起こしている。

また、別の要因として、国際的な丸太の需要が高まっているために、違法な取引業者が関与して、丸太の密輸を行っている。これが違法伐採の問題を悪化させている。

インドネシアの面積は2,028,087平方キロ、東西が8,806キロ、そして南北が2,590キロにまたがる世界最大の群島からなる国で、全部で17,508の島からなっており、そのうち967は人が住んでいるが、16,541は無人島で11,441の島には名前すらついていない。

他国間との関係では、インドネシアはITTO(国際熱帯木材機関)の加盟国に対して、この問題が深刻であることを訴えている。また、地域的なレベルでは、アジア森林パートナーシップ(AFP)を設立し、またさらに、FLEGと呼ばれている東アジア太平洋森林保護執行ガバナンスという動きを行っている。

具体的には、メガワティ大統領がイギリスを訪問した際にブレア首相に違法伐採を止める約束をし、2002年4月にはプラコサ林業大臣がイギリスの環境大臣との間で違法伐採と違法伐採木材・木製品の国内取引をなくすための覚書に署名した。そして、2002年12月に中国との間で森林製品の違法取引をなくすための協力に関する覚書が締結された。また、2003年6月には日本との間で、違法伐採対策に関する協力についての共同発表とアクションプランが締結された。

インドネシアの森林政策フレームワーク(枠組み)について言えば、持続可能な森林経営をインドネシアの人々の繁栄のためにつくっていくことを目的としている。ここで柱となるものは、ミッション(使命)、ビジョン、目標、そして5つの重点項目となる政策である。ミッション(使命)では、まず森林領域を特定すること、森林等土地の復興を行うこと、天然資源の保全を進めること、理想的な森林機能を得ること、そしてコミュニティからの関与を高めることの5つを策定している。またビジョンとしては、持続可能な森林の機能を実現すること、人々の経済性を高めること、人々の福祉を高めるために国民経済を支持することの3つがあげられている。そして、そのようなビジョン、ミッションによって得られる目標というのが、国民の福祉を高めていくこと、インドネシアの森林を持続可能なものにすることである。5つの森林における重点項目となる政策とは、1番目が違法伐採と戦うこと、2番目が森林火災の統制と抑制、3番目が森林産業の再構築、4番目が森林資源の復興と保全、5番目が森林部門の地方分権のプロセスである。

1.2.3.4.5.6.7.8