4-3 LVLとはどのようなものですか。
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LVLは、ラミネイティッド・ベニア・ランバー(Laminated Veneer Lumber)の
略で日本語では単板積層材と呼ばれています。
LVLの製造方法は、ベニアレース又はスライサーと呼ばれる機械で、丸太を切
削し単板(厚さ2~4mmの薄板:ベニヤ)にし、これを乾燥し、欠点のあるものを
除去します。それから、単板の繊維方向に平行に積層接着し製造します。
日本では「ベニア板」と言うと合板を指すことがありますが、本来ベニアとは合
板を構成する単板を指します。
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LVLと合板の違いは、合板では積層接着する際に、単板の繊維方向を交互に直
行するように積層すること、また、用途も合板が板として平面的に用いられるのに
対し、LVLは柱や梁のように細長い部材(軸材)として用いられることがあげら
れます。
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LVLの特徴としては、[1] 自由な大きさの製品が作れること、[2] 製造段階で欠点
が除去、分散されること、[3] 単板が乾燥されるので割れや狂い等の発生が少ないこ
と、[4] 湾曲材など形状の自由度が高い等集成材と同じ長所を持ちます。さらに、集
成材ではの生産性が低いのが欠点でもありましたが、LVLでは、製造工程の自動
化が可能で、生産性が高いことも長所の一つとなっています。
一方、LVLの欠点としては、[1] 釘打ち等による割れが発生した場合における強
度の低下があること、[2] かんながけが効きにくい等の加工性が低いこと、[3] 単板の
積層数が少ないと狂いを生じることがあるとなどがあげられます。
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LVLの用途は、構造用では、住宅の柱や梁、引っ張り強度の高さと品質の均一
性からI型ビーム(I-beam→上下に2本の軸材を配置し、それを面材料でつなぎ1本
の梁のような役割を果たす材料、材料の断面がアファベットのI(アイ)のような形
状となっているものです)のフランジ(上下の軸材)として用いられています。
また、造作用では、ラワン等の南洋材が原料となることが多く、家具の枠材、階
段セット、ドアの枠・心材などに使われています。